アウトドアや車中泊など電源がない場所で活躍するポータブル電源(大容量バッテリー)ですが、家庭での非常用電源として「災害用アイテム」としても評価が高まっています。
またモバイルバッテリーほど多くはありませんが、たくさんのメーカーからポータブル電源が発売されていますが、モバイルバッテリーほど手ごろな価格ではないので(数万円から数十万)、適切なベストバイを選びたいところです。
そこで、この記事ではポータブル電源の選び方とおすすめ機種をご紹介します。
ポータブル電源(大容量バッテリー)とは?
ひとことで言うと「モバイルバッテリーの大容量版で家電※も使えるバッテリー」です。(※全ての家電ではありません)
アウトドアや停電の時など、どうしても「家電」を使いたい場合、出力の低いモバイルバッテリーでは動かせませんが、ポータブル電源(大容量バッテリー)ならパソコン、扇風機や電気毛布、小型のIH調理器や冷蔵庫も使うことができます。
特に夏や冬など気温が大きく影響するシーンでは、電源の有る無しが快適性に大きな差が出てくる、非常に役立つ心強いアイテムになります。
スペックの前に、まず「保証」!
容量やスペックを比較する前に・・・まずは保証がポイントです!
ポータブル電源の中身は、電気を貯める「バッテリー」と電気を制御する「インバーター」ですが、電圧を制御するなど複雑な仕事を担う「インバーター」は比較的故障が出やすいパーツです。
いくら有名なメーカー品でも「1年で充電できなくなった」「すぐ壊れた」というケースもあるので、最低2年保証がついている「メジャーなメーカー」にしましょう!。いくら5年保証でも「1年後に会社がない」「海外へ返送が必要」「日本語で対応できない」などのリスクを考えると、確実なメーカーが必須です。
おすすめメーカーはモバイルバッテリーで実績と評価も高い「Anker(アンカー)」と、ポータブル電源の中では著名な「Jackery(ジャクリー)」です。
Anker(アンカー)は携帯用モバイルバッテリーでも有名で、Jackery(ジャクリー)は2012年米国創業ですが、ポータブル電源とソーラーパネルを得意とする専門企業で、日本の大手家電メーカー「JVCケンウッド」がOEM販売しているので信頼性も安心感もあります。「BLUETTI(ブルーティ)」は2009年創業の中国深センの企業で、大容量ハイエンド品を自社開発・生産し、評価と実績の高いメーカーです。
選ぶポイントは「ワット数」と「容量」
ポータブル電源でいちばん後悔するのが「使いたい家電が使えなかった・・」ケースです!そこでワット数(w)と容量(wh)の2つだけ押さえておきましょう!
まずは家電をワット数(w)で分けてみましょう。(※ワット数=動かすための電力量)
ポータブル電源では上限ワット数が設定されており、それ以上のワット数の家電は使えません。
例えば500wのホットプレートを使いたくても、200wまでのポータブル電源ではフル充電でも使うことができないのです。
先ずは「使いたい家電」を決めて、対応できるか確認した後に容量(使える時間や回数)から選択しましょう。
次に容量です。容量はwh(ワットアワー)と言い、ワット数×時間が容量(wh)になります。
上図の通り、使えるワット数と容量が増えるほど、価格も重量も増えていきます。
そこで人数(一人かファミリーか)、用途(キャンプ・車中泊・災害用)、日数などを想定して、自分に合う容量を選びましょう。
「リン酸鉄リチウムイオン」が安全!
ポータブル電源に使わるバッテリーは「リチウムイオンバッテリー」です。ノートPCからスマホ、携帯用バッテリー、ハイブリット車や電気自動車、航空機まで幅広く使われています。なぜならエネルギー効率がおどろくほど高いのでからです。
家庭用ビデオカメラ用からスタートし、これまでに多くの企業がコンパクト化に注力してきました。そのおかげで小さくて薄いバッテリーが実現し、薄くて小さいスマホやノートPCでも1日中使えるようになりました。
しかし過去には大手メーカーのノートPCやスマホ、最新鋭の飛行機でも発火事故がおこっています。
エネルギー効率が良い反面、同時に危険性でもあります。またリチウムイオンバッテリーの中でも種類があることです。
過去の発火事故はコバルト系やポリマー系 、三元系のリチウムイオン電池です。一方安全性が高いのが「リン酸鉄系」です。エネルギー密度が低く、過充電・過放電状態になっても爆発しない特徴があります。また長期使用(約10年)も長くて充電回数も多く、自己放電率も月に1%程度と言われ、性能面・安全面でも優れてています。
※現在主流の三元系の充電回数が500回前後に対して、リン酸鉄系は2000回以上と言われています。
※リン酸鉄系以外のリチウムイオン電池は、経済産業省より発火・爆発の危険性が指摘されています。
おすすめポータブル電源
以上から保証面で実績のあるメーカーで、安全な「リン酸鉄系」採用のバッテリーとなると「Anker(アンカー)」と「BLUETTI(ブルーティ)」に絞られます。ただしモバイルでは多品種ラインアップのAnker(アンカー)さんですが、下図の535 Portable Power Stationの通り残念ながら持ち手(ハンドル)が収納型ではないため、キャンプや車中泊など荷物を詰め込む際に使い勝手が悪くなります。
またラインアップが多く、ソーラーパネルとの連動性も評価の高いJackery(ジャクリー)製は残念ながら「三元系リチウムイオン」です。
下図は容量が250whと700wh前後の製品でメーカー比較した表です。※価格は定価、参考価格。
特記は2022年3月に発売されたBLUETTI(ブルーティ)のEB3Aです。これまでなら300whまでの大容量バッテリーなら規定ワット数は200wまでの製品が主流でしたが、600wと上位機種並みのワット数があります(その分お値段も高めになりますが)。
以上の比較から、リン酸鉄リチウムイオン電池で保障面もあり、自社ソーラーパネルもあるBLUETTI(ブルーティ)製がオススメです。
BLUETTI ポータブル電源
BLUETTI(ブルーティ)製で想定する容量に合わせてラインアップがあります。
300whまでなら「EB3A」、500wh前後なら「EB55」、700whなら「EB70 」をお選びください。
300wh前後=「BLUETTI EB3A」
500wh前後=「BLUETTI EB55」
700wh=「BLUETTI EB70 」
しかしいくら大容量でも使い切るとただの箱になってしまいます・・・
また電源のない場所や防災用を想定してバッテリーソーラーパネルがあると心強くなります。
パネルは大きければ大きい程効率も上がるので、重さ的に問題なければSP200がオススメです(SP120=4.2Kg、SP200=6.5Kg)。