人でも会社でも、相手の財務状況が分からないと「お金を貸しても大丈夫?」か分からないので「決算書」を見て確認します。決算書は別名「財務3表」とも呼ばれ、3つの表から構成されています。
①貸借対照表(バランスシート)(B/S)「稼いだお金を何に使っている?」「純資産はいくら?」
②損益計算書(P/L)「稼ぎ、収益はいくらか?」
③キャッシュフロー計算書「財布の中に現金がいくらあるか?」
今回は③キャッシュフロー計算書について解説していきます。
キャッシュ・フロー計算書とは?
Cash Flow Statement(キャッシュ・フロー・ステートメント)を直訳るすと「お金の流れ」になります。略して「CF」や「C/F」とも表現されます(上場企業は作成が義務づけられています)。
簡単に言うと「おこづかい帳」のようなものです。
実は会計上では「獲得した利益・発生した損益」が、スグに「現金の増減」にならないケースがあります。
なぜなら企業会計の場合「発生主義」と言って、お金をもらう権利や支払う義務が発生した時点で記帳するルールなので、実際のお金の動きとはタイムラグが発生するケースが出てくるのです。
例えば1/5に商品を1,000円で仕入れ、1/10に1,500円で売上た場合、帳簿上には1,500円分の売上は記帳されますが、掛け売り(来月払い)だと、帳簿上にあるばずの1,500円が実際のおサイフには無い・・・というケースが出てきます。
そこでキャッシュフロー計算書(おこづかい帳)をつけることで「月末に現金が無い!!」などの事態を避けることができます。
キャッシュフローの構成
キャッシュフロー計算書では、お金(現金)の入りを「キャッシュ・イン」、出を「キャッシュ・アウト」と言い、キャッシュ・インからキャッシュ・アウトを引いた収支を「キャッシュフロー」と呼ばれます。
また、キャッシュフロー計算書では3つに区分して表示します。
①営業活動キャッシュフロー
営業活動でキャッシュフローがどれだけ生み出されたのか、本業の稼ぐ力を表します。
②投資活動キャッシュフロー
企業がどれだけ投資活動をしているかや、土地・建物・機械・有価証券などの資産の増減を表します。
③財務活動キャッシュフロー
金融機関からの資金調達(短期・長期借入金)や配当金など財務的なお金の増減を表します。
※細かく言うと、キャッシュ=現金や預金だけではありません。換金性が容易な資産(3カ月以内に満期がくる定期預金や投資信託など)も含まれますが、実際の会社運営上では現金・預金がメインなので「キャッシュ=現金・預金」で問題ありません。。
まとめ
キャッシュ・フロー計算書(C/F)は簡単に言うと「おこづかい帳」のようなものです。
企業会計では「発生主義」と言って、実際の現金の動きとは関係なく「発生した時点」で記帳するルールがあるので、「掛け」の場合タイムラグが発生し、帳簿上にはあるのに「実際にはサイフにお金が無い・・・」ということになりかねません。
そこでキャッシュフロー計算書(おこづかい帳)で「月末に現金が無い!!」事態を避けることができます。