スマホ充電で毎日のようにUSBコネクタ(接続口)に差し込むシーンが日常化していますが、スマホ以外にもパソコンやプリンター、デジタルカメラにはさまざまなUSBコネクタとケーブルがありますが、いったい何故こんなにたくさんの種類があるのでしょうか?
この記事ではUSBコネクタ(接続口)についてわかりやすく解説していきます。
そもそもUSBってなに?
USBとはユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus)の略称で、パソコン関連の機器を接続するための規格のひとつです。
今では当たり前なのですが、以前はパソコンの電源をオフにして接続しないと機器を認識しませんでした。また、ケーブルを固定するためネジ止めしたり、挿したあと「設定」が必要だったり・・と、かなり不便でした。
そこで登場したのが「USB」ユニバーサル・シリアル・バス!
USBの登場で「挿せば使える」「電源がオンでも挿しこめる」という、以前のコネクタやケーブルから格段と便利になったのです。
またケーブルの中身には「電源用」と「データ通信用」2種類の線が入っており、接続した機器に「電源」が無くてもパソコン側からの電源供給で使うことができるようになりました。
※プリンタなど消費電力が大きい機器は別途電源が必要です。
なんでこんなに種類があるの?
そもそもUSBはキーボードやマウス、プリンターやスキャナーなどパソコン接続を便利にする規格であり、何度も抜き差しする前提ではありませんでした。
その後パソコンに接続する種類も小型化や薄型化が進みコネクタの「形状」もコンパクトに、
そして必要とされるデータ量が増大し、ケーブルはより「転送速度」が求められるようになりました。
またケーブル内は「電源用」と「データ通信用」2つの線がありますが、中には「電源だけ」や「データ通信だけ」のケーブルもあります。(例:100均などのUSBケーブルは電源用だけのモノが多い)
「形状」コネクタの種類
コネクタの種類はたくさんありますが(基本的には)
接続する側(親機)が「Type-A」、
接続される側(子機)が「Type-B」と呼ばれます。
この接続される側「タイプB」、子機の方がコンパクト薄型化していく中で種類が増えていきました。
Type-A(タイプ-エー)※接続する親器側
パソコンや電源アダプターなどメインとなる「USB=タイプA」とも言える代表的なコネクタです。
スタンダードタイプAとも呼ばれます。(ミニサイズのタイプAもあるので)
Type-B(タイプ‐ビー)※接続される子機側
タイプ‐Bは、プリンターやスキャナなど大型機器に使われるコネクタです。
ここから接続される子機側のコンパクト化と薄型化により「タイプ‐B」の派生が増えていきます。
こちらも(ミニサイズのタイプBもあるので)スタンダードタイプBとも呼ばれます。
miniUSB(ミニUSB)Type-B(タイプ‐ビー)
スタンダードタイプBより小さく、デジタルカメラなどで使われるコネクタです。
microUSB(マイクロUSB)Type-B(タイプ‐ビー)
ミニUSBから更に薄型化されたコネクタです。スマホ(主にAndroid)や小型機器など、いちばん普及しているタイプBのコネクタと言えます。
microUSB 3.0 SS(スーパースピード)Type-B(タイプ‐ビー)
上記のミニやマイクロUSBの転送速度がバージョン「USB2.0」に対し、より高速で大容量データを転送する外付けHDDなどに使われるのが「USB3.0」バージョンのコネクタです。特徴は中央付近にヘコミがあります。
なおSS「SuperSpeed」は正式名称ではなく通称で、同じバージョン3でも3.1や3.2などバージョン名が表記されている場合があります。
Type-C(タイプ‐シー)※親子・裏表ナシ
タイプAやタイプBに次ぐ新しい「第3の規格」です。裏表・親子の関係なく接続でき、サイズもコンパクト。
2022年6月にEU(欧州連合)加盟国ではタイプC義務化(2024年まで)が発表され、ウインドウズやアンドロイドスマホはもちろん、Mac(マック)やiPad(アイパッド)などアップル製品にも採用され、これからのスタンダードとなるコネクタになります。
※iPhone(アイフォン)のLightning(ライトニング)はUSB規格とは違い、アップル社の独自開発コネクタ、ケーブルになります。
「転送速度」ケーブルの種類
USB規格は求められる転送速度の変化から、何度も規格変更が行われました。
USB 1.0 (12Mb):1996年 → USB 1.1 (12Mb):1998年
USB 2.0 (450Mb):2000年
USB 3.0 (5Gb):2008年 → USB 3.1(10Gb):2013年 → USB 3.2(20Gb):2017年
特にUSB 2.0→USB 3.0では大きく変わりました。違いはデータ転送速度と電力供給量の2点です。
データ速度は480Mbps→5Gbpsと約10倍に、
電力供給量は500mA→900mAと約2倍まで増えました。
コネクタとは違い、バージョンが違っても下位互換性があります(上位の速度は出ないが使用できる)。
※USB2.0とUSB3.0の見分け方は3つ。
①端子の数が違う:USB2.0=端子が4本、USB3.0=9本。
②色がが違う:コネクタの内側が青色。
※業界団体のUSB-IFが「内側を青色に」を推奨しているだけなので、青色ではない場合もあります。
③ロゴマークが違う:パソコン本体やUSBケーブルに「USB3.0~3.2」のマークが表示されている場合があります。
まとめ
USBコネクタ、ケーブルは親子側の違いで大きく「タイプA」「タイプB」に区分され、コネクタ形状はスタンダード→ミニ→マイクロとコンパクト化していき、通信速度のバージョン違いが誕生していきました。
そして次世代スタンダード「タイプC」が今後の定番になっていきます。