民間の企業でも公共機関でも、年に1度お金に関する「報告書」を株主や住民に提示する必要がありますが、その報告書(決算書)の中でも、貯金はどれくらい?借金はないか?など「財務状況が健全かどうか?」を確認できる書類が「貸借対照表」です。
貸借対照表(B/S)とは?
会社でも人間でも、相手の財務状況が分からないと、お金を貸して良い相手なのか否か分かりません。そこで2つの「決算書」を使って確認します。
一つ目は「損益計算書」で「年にどれだけ稼いでいるか」が分る書類です。
しかし、いくら稼いでいても、借金があったり散財クセがあるかもしれません。そこで「貸借対照表」により、「稼いだお金を何に使っているか?」「返済の不要な本当の純資産はいくらか?」を確認することができます。
この表は左側に「資産」、右側に「資本金(純資産)」と「負債」があり、左右が同額でバランスを取っていることからバランスシート(B/S)も呼ばれます。
貸借対照表の見かた
貸借対照表は左(借方)と右(貸方)の2列に分かれています。
右(貸方)は集めたお金を方法別に分けて書き込み、返済が必要なお金を「負債の部」へ、返済する必要のないお金を「純資産の部」に書き込みます。
左(借方)は「資産の部」と言い、集めたお金を何に変えたか?を書き込みます。
流れ的には「右から左」にお金が流れているイメージです。どのような方法でお金を集め(右側)、そのお金がどのように使われたのか(左側)で分かる仕組みになっています。
では実際の貸借対照表を見てみましょう。
たくさんの漢字と数字が組み合わさって、なんだか難しそうですね・・・そこでギュっとシンプルに圧縮してみましょう。
これで随分と分かりやすくなりましたが、「流動」や「固定」、「純資産」などのコトバが難しいですね・・・そこで更にシンプルにしてみましょう。
どんなに難しそうに見えても、ギュっまとめるとシンプルです。
上記の表を読み取ると、会社の資産は1300ですが、半分の650は負債(返さないといけないお金)で、半分は純資産(返さなくてよいお金)ということが分かります。
貸借対照表で何がわかる?
貸借対照表で「相手の財務状況が分かる」のに加えて、以下3つも確認できます。
①会社の規模(資産がどれだけあるか)
②資産や負債の中身(固定・流動どっちが多い?等の内訳)
③会社の純資産(返済の必要がない資産額)
会社が続いて運営されて行くと、順調であれば利益が積み上げられて「純資産」は増えていきますが、逆に純資産が目減りしていると危険な状況と言えます。
「流動」と「固定」はワンイヤールールで分ける
貸借対照表には資産の部では「流動資産」「固定資産」に、負債の部では「流動負債」「固定負債」に分かれていますが、これは一年基準(ワン・イヤー・ルール)とも呼ばれるルールがあるからです。
1年以内に(入金や支払いの)期限があるものを「流動」に、
1年以上期限がある、またはスグに現金化できないもの(土地や建物など)
を「流動」に分けられます。
まとめ
「年収や稼ぎ」が分かっても、借金が多かったり、散財していては健全とは言えません。
そこで「純資産(返済不要な本当の資産)がいくらあるのか?」「何に使っているか?」が分かる決算書が「貸借対照表」です。どのような方法でお金を集め(右側)、そのお金がどのように使われたのか(左側)が表で分かる仕組みになっています。
また資産や負債で出てくるコトバで「流動」と「固定」がありますが、一年基準(ワン・イヤー・ルール)で区別します。
1年以内の期限=「流動」に
1年以上期限=「流動」(スグに現金化できないモノ:土地・建物など)
をに分けられます。