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目的と目標、戦略と戦術の違い

良く使われるコトバで「目的」と「目標」、「戦略」と「戦術」が出てきますが似たようなコトバで、よく違いが分からないことはないでしょうか?
そこで今回は違いを超わかりやすくイラスト図で解説していきます。

■目的と目標の違い

目的と目標、いずれも「目」を取ると、的(まと)、標(しるべ)と読めます。つまり
目的=到達したい、目指すゴール
目標=目的を成すための具体的な手段(中間地点)
の違いになります。

順番は、先ず「目的」を決めた後、分割して中間ポイントを決めていきます。
なぜなら、いきなり目的地を目指しても、目の前にはキツい坂道が見えるだけで、自分のペースが正しいのか?余裕または遅れはあるか?自分の位置が分からなくなってしまい、直ぐに絶望してしまいます。
そこで中間ポイントの「目標(中継地点・マイルストーン)」を置くことで、「何を・いつ・どこまで」が具体化することで、より「目的」への実現性が高くなります。
また、さらにその先の「理念」や「パーパス、ミッション」など「目的を遂げた先の未来」まで設定しておくことで、より広い視点で「目的」を俯瞰することができ、実現性も高まります。

先ずは「目的」が重要

「目標」は3人とも「1日に100個のレンガを精度3㎜以内に6か月で仕上げる」だとしても、目的の違いが日々の生活や行動習慣に影響し、過ごす人生も違ってくるはずです。

よくモチベーションの話で出てくる「3人のレンガ職人」の話がありますが、「目的」の違いが人生にも大きく影響します。3人のレンガ職人に「何をしているの?」と質問しました。1人目は「レンガを積んでいるだけ」、2人目は「お金を稼いでいる」、3人目は「大聖堂を造っている」と答えました。
また、「目的」と「目標」を混同しないように気を付けましょう。RPGゲームに例えると、「魔王を倒す」のが「目標」で、「目的」は「魔王を倒すことで得られる世界平和」です。
具体的な手段や通過点が「目標」であり、最終的に成し遂げられるゴールが「目的」になります。

戦略と戦術の違い

こちらも良く出てくる似たようなコトバ「戦略」と「戦術」ですが、文字通り軍事用語から来ています。
軍事的に同じ目的・目標に向かうとしても、組織内の階級、クラスの違いで、使うコトバも違ってきます。

戦略=国家元首、大臣、政治家クラス(どう戦争に勝つか?終結方法は?)
作戦=将軍、元帥、師団長クラス(戦略をどう具体化するか?)
戦術=将校、大佐、隊長クラス(戦場の現場でどう勝つか?)

戦略」は、軍事戦略、大戦略など、いかに戦争に勝つか?どう戦争を終わらせられるか?など国家元首や大臣レベルの大局的な視点で考える策を言います。
次にトップが決断した「戦略」を具体的な現場レベルに落とし込むのが「作戦」です。
作戦」は政治的な意図も理解しつつ、現場の実現性も考慮する必要があります。幅広い知見や、豊富な実戦経験がある将軍、元帥、師団長クラスの策を言います。
戦術」は常に移り変わる現場の中で、どこを攻撃するか?どこを防衛すべきか?など、より実戦的に考える、大佐や隊長レベルの現場指揮官の視点の策を言います。

会社組織に例えると、
戦略=社長クラス(経営戦略を練る)
作戦=部長クラス(経営戦略を現場レベルで具現化する)
戦術=課長クラス(実務レベルで指揮する)
以上のように、共通の目的・目標でも、役職の違いでコトバも違ってきます。

まとめ

目的と目標は、的(まと)と標(しるべ)の違いであり、
目的=「到達したい、目指すゴール」、
目標=「目的までの具体的な手段で中間地点」の違いになります。
いきなりゴールに走り出しても、大きな目的であるほど自分を見失ってしまいます。
そこで「目標」という中継地点を設けることで、ゴールの成功率がより上がります。

また軍事用語である「戦略」と「戦術」は、同じ目的・目標に向かう組織の中でも、
戦略=政治家、社長クラス(大局を練る)
作戦=師団長、部長クラス(大局を現場レベルに具現化)
戦術=部隊長、課長クラス(実務レベルで指揮する)
など、階級クラスの違いでコトバが違ってきます。

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