会計

決算書とは?貸借対照表と損益計算書

決算書とは?

民間企業も官公庁も、1年に1度は「お金や物のやり取りを記録し報告する」ことが義務付けられていますが、その報告書を「決算書」と呼ばれ、「資金はあるか?利益は出ている?無駄使いしてない?」などを確認することができます。
※「決算書」は俗称で、正式(法律上や会計規則上)には「財務諸表」言います(会社法では計算書類
財務諸表」は1年に1度開かれる株主総会(お金を出した人の集まり)などで「出資したお金が効果的に使われているか」を確認し、株主への配当や、税金の計算、翌年の事業計画にも役立てられます。
そして「財務諸表」を作るのには次の書類が必要になります。
●貸借対照表
●損益計算書
●キャッシュ・フロー計算書
●株主資本等変動計算書
一般的には「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」の3つがメインになりますが、ここでは「貸借対照表」「損益計算書」について解説していきます。

貸借対照表と損益計算書の違い

漢字で書くと難しく感じますが、英語表記の方が分かりやすいイメージになります。
貸借対照表=バランスシート(Balance Sheet)
損益計算書=プロフィット&ロス(Profit and Loss)
つまり「貸借対照表」は常にバランスを保っている表のことで、「損益計算書」はプロフィット&ロス、か収か?という意味になります。
例えば将来のパートナーを選ぶとき、相手の収入や貯金額は気になる所です。そこで「貸借対照表」で借金が有るか無いか?、「損益計算書」でどれだけ稼いでいるか?をチェックすることができます。
●貸借対照表=借金どれだけあるか(貯金はどれくらい?)
●損益計算書=どれだけ稼いでいるか(収はどれくらい?)
いくら「口座に1億円あります!」と言われても、「貸借対照表」で9.9千万円が借金だと分かれば見る目が変わります。
また「年収は1億円です!」でも、「損益計算書」で経費が9.9千万円であれば、稼ぎは100万円・・だと分かります。
そして上記の赤字で表示していますが「貸借対照表」が(決算日の当日)の状態に対して、「損益計算書」は期間(〇月〇日~〇月〇日)の集計という違いがあります。

貸借対照表

貸借対照表は左と右に分かれていて、左に「資産」、右に「負債」と「資本」が配置され、常に左と右は同額に保つことからBS(バランスシート)とも呼ばれます。
この表はお金の状態を表します。右側が「どうやって集めたお金か?」、左側が「集めたお金を何に使ったか?」になります。計算式=「資産=負債+資本」。
ここでは「資本」など馴染みのないコトバが出てくるので、新しい会社を設立して実際に帳簿に書き込む流れで解説していきます。
※簿記の慣習で左側=「借方」、右側=「貸方」と呼びますが、漢字の意味は無いので深く考えないでOKです。
先ずは自分の貯金500万円を元手に会社をスタートします。この元手を「資本金」と呼びます。帳簿に書き込みます。

次にお店を開くために土地(200万円)と建物(100万円)を買いました。合計300万円を払ったので、現金は200万円になりました。

次にお店に置く机とイス、商品を並べる棚や台を買いました。合計100万円を払ったので、現金は100万円になりました。

次にお店で販売する商品を100万円で仕入れたのですが、これでは現金が無くなってしまいます。そこで銀行から200万円を借りました。

この銀行から借りた現金200万円は「借入金」と呼び、資本金とは違って返さないといけないお金です。これを「負債」といいます。
ここで一度「貸借対照表」を「資産」「負債」「資本」に分類してみましょう。

このように資産=負債+資本で、左と右が同じ金額でバランスがとれています。

損益計算書

お店も準備でき、販売する商品も仕入れました。ここで仕入れた商品100万円のうち、半分の50万円を100万円で販売しました。すると以下のようにバランスが取れなくなりました。

そこで損益計算書の登場です。実際の帳簿の書き込み方ではありませんが、利益の「商品販売益」を右側に入れると左右のバランスが取れました。

※販売益=返す必要のないお金なので資本金と同じ右側へ配置。
このように「貸借対照表」と「損益計算書」は、利益でつながっています。
また「借方」「貸方」など左右に記載することを「勘定式」といいますが、損益計算書は「いくら儲かったのか?」がポイントなので、わかりやすい「報告式」で表示されます。

上記のように縦に並べられ、売上高から原価を引くと「売上総利益」に、「売上総利益」から販売費及び一般管理費を引くと「営業利益」と利益の名称が変わっていきます。最後に税金を引かれて残った利益が「当期純利益」と呼ばれます。

まとめ

企業も役所も1年に1度「お金のやり取りを記録し報告する」必要があり、その報告書を「決算書」、正式には「財務諸表」と言います。
財務諸表」は主にBL(貸借対照表)、PL(損益計算書)、CF(キャッシュ・フロー計算書)で構成され、貸借対照表は「借金どれだけあるか(貯金はどれくらい?)」、損益計算書は「どれだけ稼いでいるか(収はどれくらい?)」が分る書類です。
また「貸借対照表」が(決算日の当日)の状態を表す表に対して、「損益計算書」は期間(〇月〇日~〇月〇日)の集計表という違いがあります。

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