「定量」と「定性」・・・ビジネスシーンでも良く出てくるコトバですが「何が違うんだっけ?」とついつい忘れる場合があります。そこで今回は「定量」「定性」の違いと、マーケティング調査(定量調査・定性調査)について解説していきます。
「定量」「定性」コトバの違い
「定量」と「定性」は、文字通り「量」と「性」の違いで「数値化できるか否か」の違いです。量が測れるから「定量」が数値化でき、「性」は感性だから数値化できない、と覚えてください。
「定量」=数値化できるモノ(誰もが同じ認識)
「定性」=数値に表せないモノ(人により認識が違う)
例えば「5分でやります」であれば、時間という誰もが同じ数値で認識できるので「定量的」ですが、「すぐやります」の「すぐ」は「5秒」の人や「10分」の人など、感覚も違うことから「定性的」と言えます。
「定量調査」とは?
「定量」は「美味しいと答えた人=〇人」など数値カウントはできますが、「香りが好き」「色が食欲をそそる」など感性的なものは「定量」でしか表現できません。
どちらが「劣る優れる」ではなく、お互い補完しあう関係なので、マーケティング調査においても「定量調査」と「定性調査」が存在します。
定量調査とは、数値化できる方法で回答を集計して分析する調査方法です。
●数値は誰が見ても同じなので主観的にならず、客観視できる
●過去比較やクロス集計など、数値の見える化(グラフ等で)で一目瞭然
●数値という根拠があるので、信頼と説得が得られやすい
ビジネスシーンでは特にこの「定量調査」が効果的です。いくら経験や実績を語っても、裏付けのある数値に裏打ちされた根拠があれば、説得力も増すので、社内外でも提案が通りやすくなります。
調査方法は、Yes・No、○×判定、5段階評価など、なるべくカンタンな回答にすることで、より沢山のサンプル数を取ることで、根拠(統計的)の拠り所とします。
「定性調査」とは?
定性調査は、定量調査など数値で計測できないコトを調査します。「はい」か「いいえ」では答えられない、人間の感覚や情緒、形にできないものや見えないものを引き出すための調査方法です。
●数値では表せない感情、価値観、興味、関心、生活習慣、深層を引き出せる
●企業が想定していなかった事項を引き出せる
●(1対1形式の場合)言語以外の反応や表情、仕草が見れる
●(グループインタビュー等)互いの発言に触発されて本人が気づかなかった意見も出てくる場合がある
定性調査では、回答が感覚的なモノになるので、聞き手によって認識がバラバラにならないように注意が必要ですが、インタビューされた本人や企業や企業が気づかない意見も出てくるチャンスもあるので、新しいニーズやターゲット層を発見するのに最適な調査方法です
まとめ
「定量」と「定性」は「数値化できるか否か」の違いで、「量」が測れるモノ、「性」は考え方や感覚的なモノを言います。
「すぐやります」の「すぐ」は人によって違う「定性」で、「5分でやります」は誰もが共通の単位なので「定量」です。
また「定量調査」の結果は、数値的な根拠があるので、説得力と信頼度に優れます。
「定性調査」では感覚的なモノを引き出すことで、数値化できない「定量調査」では測れないモノを補うことで、新しいビジネスチャンスのきっかけになる場合があります。