「会計」「財務諸表」というコトバを聞くと「なんとなく苦手だ」、また自分の会社に「経理部」「財務部」があるけど違いが良く分からない、という方も多いと思います。
そこで今回は「会計」用語と「経理」と「財務」の違いを分かりやすく、図式化で解説していきます。
会計(アカウンティング)とは
会計とは「お金や物のやり取りを記録し報告する」ことを言います。会計はアカウンティング(報告する・説明する)が語源で、端的に言うと「財政状態を報告する」ことになります。
民間企業でも、公共機関でも、年に1回は決算書(財務諸表)を報告(企業=株主に)(公共機関=地域住民に)する必要がありますが、営利団体と公共機関でフォーマットが違います。
●企業会計(株式会社など営利団体)(決算書は株式総会や銀行に提出)
●公会計(国や官公庁、地方自治体など)(決算書は議会に提出)
つまり「会計」とは「財政状態を報告する」コトで、提出先により「企業会計(営利団体)」「公会計(公共機関)」と2つの種類がありますが、今回「企業会計」に解説していきます。
財務会計と管理会計、税務会計の違い
提出先により「企業会計」と「公会計」に分かれましたが、「企業会計」の中でも、目的に合わせて
「財務会計」「管理会計」「税務会計」に分けられます。
●財務会計=外(株主・銀行・債権者)向け。ルールあり
●管理会計=内(経営者が自社の状況)向け。ルールなし
●税務会計=法人税・所得税・消費税・住民税・事業税など申告するため会計処理
財務会計
財務会計は、外向け(株主や金融機関、投資家や取引先など)に、企業の財政状態を報告することを言います。メインになる報告書は「決算書(財務諸表)」と呼ばれ、貸借対照表(B/L)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(C/F)から構成されます。これを元に株主や金融機関は、今後を判断(株式売買・融資の存続有無)していきます。
管理会計
管理会計は、内向け(経営者など)に、自社の経営状況を把握するための報告を言います。
会計的な観点から、過去と未来を比較して、課題改善や今後の会社方針を見極めるために使われます。
内部用なので法的なルールもなく、各会社ごとに独自の手法で活用されます。
税務会計
税務会計は文字通り収めるべき税金を計算して申告するための書類を作成することを言います。会計の知識に加え、頻繁に変わる税制改正や税の特別措置、国際課税、消費税などの対応が必要になります。
経理と財務の違い
会社によっては「経理部」の他に「財務」部署があるケースありますが、会社の規模や業種によって部署の呼び方や業務内容はバラバラではあるものの、コトバの意味としては以下の違いがあります。
●経理=これまでの取引など過去のお金の流れを把握する
●財務=今後の取引や資金運用など未来のお金の流れを把握する
「経理」は会社の中でやりとりされた過去のお金の流れを把握し管理する役割を担い、「財務」は資金の調達(融資や借入など)、資産運用(投資、M&Aなど)、これから動かすお金を管理する、という時間の視点が大きな違いと言えます。
「経理部」や「財務部」などの部署名や、業務内容の区分などはコレと言った決まりはありません。財務専門の部署がある所もあれば、経営者が自分で財務管理するケースもあります。
まとめ
会計とは「お金や物のやり取りを記録し報告する」することで、民間企業でも公共機関でも、年に1回は決算書という報告書を提示(企業=株主に)(公共機関=地域住民に)する必要があります。
この報告書(決算書)には、提出先により「企業会計(営利団体)」と「公会計(公共機関)」の2つのフォーマットがあります。
この営利団体フォーマット「企業会計」は目的に合わせて3つに分けられます。
●財務会計=外(株主・銀行・債権者)向け。ルールあり
●管理会計=内(経営者が自社の状況)向け。ルールなし
●税務会計=税金を申告するため会計処理
また会社によって「経理部」や「財務部」がありますが、業種や規模により呼び方も業務内容はバラバラですが、コトバの意味としては以下の違いがあります。
●経理=これまでの取引など過去のお金の流れを把握する
●財務=今後の取引や資金運用など未来のお金の流れを把握する
「経理」が会社でやりとりされた過去のお金を把握するのに対し、「財務」はこれからのお金(資金の調達や資産運用)把握するという「時間の視点」が大きな違いと言えます。
なんとなく苦手な「会計」ですが、それぞれの違いや図式化すれば分かりやすくなるかと思います。